御祭神

主祭神 八幡神(応神天皇・神功皇后・仲哀天皇)

 

    宇部地方の八幡神の特徴は「比売大神」ではなく「仲哀天皇」をもって八幡3神として祀られているお宮が多い点です。

    これは瀬戸内海から九州に伝承される神功皇后の「新羅出兵」の舞台が宇部地方であることが理由として考察されます。

    八幡宮の御分霊は清和源氏による石清水八幡宮や鶴ケ岡八幡宮からの勧請が多いのですが、当地方では八幡総本宮である

    大分県「宇佐神宮」からの航海航路の中継地点に当たることから、宇佐からの勧請が顕著であることも特徴の一つです。                                 

    当社における八幡神は「神功皇后」の「聖母信仰」の色合いが強く見受けられ、古来より「良縁」「子授け」「安産」

    「育児」の守護神として崇敬されており、並び「必勝(合格や資格取得・大会での勝利)」「就職」「厄除け」「長寿」

    「家内安全」「交通安全」など、人生の歩みを全体的にお守りくださる所謂「氏の神」としてご利益をもつ神様です。                          

                                                                  配祀神 西宮ゑびす三郎神・大國主の大神

 

    古来から「海の辺(うみのべ)」と呼ばれ、現在の「宇部(海辺)」となったと云われる当地方は、大陸からの物資の玄関口

    の機能を持つ港町として廻船業や漁業で発展しました。

    兵庫県西宮神社の神「ゑびす三郎神」は、関西圏の海上航路の起点である兵庫県を起点に、内海の守護神の守護神として古くか

    ら庶民信仰として発展し、宇部地方においても「西宮」「ゑびす」といった地名が多く見受けられます。

    「ゑびす」の標記は時代によっても特徴があり、古くは「夷」「蛭子」、中世期に入ると福神としての「恵比寿」「恵美須」と

    変容を遂げており、宇部地方では「夷子」という荒々しい意味をもった標記と、イザナギ・イザナミの御子としての「蛭子」

    標記が古書では多く使用されております。

    これを鑑みるに、当社の「ゑびす三郎神」は「蛭子(えびす)」という古い時代の標記からも、かなり古くから、西宮ゑびす信仰

    が伝播していたことが理解出来ます。

    ゑびす信仰は「傀儡師」により「商売繁盛」の神として流行していきました。

    当社においても「商売繁盛」「願望成就」「疫病除け」「病気平癒」などのご利益を授かるとして、多くのご参詣がございます。

    

                              

    宗像大神(多紀理比売命 多紀都比売命 市寸嶋比売命

 

    宗像3女神は大陸文化との交流のみならず、海上防衛の要衝として機能した九州で、国家的な守護神として庇護された神です。

    後世には、広島の厳島神社と同一の性質を持つ神様となりました。

    宇部地方においては、豪族「宗像氏」の一派が生活していた痕跡が残っており、かなり古い時代に信仰されていました。

    しかし、源平合戦の後は近隣にて平家の御霊を鎮めるための厳島信仰が広まり、宗像3女神と厳島の神との混同が見受けられ

    るようになりました。

    当社においての宗像3女神も従来からの由緒では「厳島3女神」と伝えられておりますが、その順番は「宗像大社」に倣って

    いることから、やはり何れかの時代に両大社の信仰が同一視されていたようです。

    宗像3女神は「厄除け」「悩み事解消」「交通安全」「厄除けの神」としてご利益があるとされております。

えびす様
えびす様